“ローカル技術”が世界と響き合う
- Bundo Takagi
- Aug 4
- 3 min read

地方の技術が世界で通用する時代へ
「海外展開なんて、うちには関係ない」と感じている中小企業経営者の方も多いのではないでしょうか。しかし、実はローカルな技術こそ、世界で求められているのです。東京都江東区亀戸に本社を構える下水処理プラントの専門企業・宇都宮工業の挑戦は、そのことを明確に示しています。
技能実習制度から始まった現地法人の挑戦
同社はかつて、9名のベトナム人技能実習生を受け入れていましたが、年々高まる管理費の負担から、この枠組みに限界を感じていました。そこで、実習制度の卒業生の中から特に優秀な一人を現地法人の支社長に任命し、ベトナムに現地法人を設立しました。目的は、現地人材を自社で採用・育成し、日本に転勤させることにありました。
想定外の注文がもたらした事業の多角化
すると、立ち上げ間もない段階から、思いがけない展開が起こります。まずは現地の日系企業から、日本語で対応できるということで工事の依頼が入り始めました。日本での経験や教育を受けた現地スタッフの対応力と品質の高さが評価され、やがて現地のローカル企業からも注文が入るようになりました。本業である下水処理技術の蓄積が、周辺分野での信頼獲得にもつながり、多角的なビジネス機会を広げる結果となったのです。
外国人材をパートナーに育てる“橋渡し型”戦略
この成功の背景には、技能実習制度を「労働力確保の手段」としてではなく、「人材育成と国際事業展開の起点」として戦略的に活用した視点があります。育てた人材を単なる労働者として扱うのではなく、信頼できる経営パートナーとして現地法人の責任を任せたことで、文化や商習慣の壁を越えた本当の意味での“グローバルマネジメント”が実現しました。
JICA制度でブラジル進出へ
ちょうどその頃、宇都宮社長は海外展開の次の一手を模索されていたため、私はJICA(国際協力機構)の「中小企業海外展開支援事業(案件化調査)」をご紹介しました。そしてその際、宇都宮社長とともに、制度に精通した専門のコンサルティング会社を慎重に選定し、支援体制を整えました。その結果、同社はブラジル進出の可能性を具体化させ、最終的にサンパウロ近郊での事業立ち上げへと結びついたのです。
宇都宮社長、次はメキシコへ。そして受講生として再登場
さらに現在では、メキシコ進出も視野に入れておられ、挑戦は続いています。そして今回、宇都宮社長ご本人が、私の主催する「中小・スタートアップ企業のための海外進出講座」に受講生として参加されることになりました。すでにベトナムとブラジルで実績を上げた経営者が、さらなる展開のために学びに来られるという事実そのものが、この講座の実践性を物語っていると感じています。
海外展開は、もはや一部の大企業だけのものではありません。地域に根差した技術、人材、そして信頼――これらを橋渡しする力さえあれば、中小企業でも世界で活躍することが可能です。
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